丑年に「牛」の話題 [絵本と本の事]
2021年 丑年です。それで大正時代の料理本から丑年→牛ステーキの焼き方を紹介します。
画像をクリックすると大きくなりますのでご一読ください。
『家庭実用 西洋料理法』の「牛肉料理の部」より引用しました。
著者は赤堀峯吉さん 発行所は大倉書店
この本の初版大正8年に出版、そして大正10年に訂正改版されました。
写真は、その訂正改版の、大正13年訂正12版になります。
20年ほど前に東京の古本屋さんで入手したものです。
私のライフワークのひとつ、宮沢賢治の食を調べたり考えたりする時に、当時の家庭での西洋料理の様子を教えてくれる大切な資料です。
大正10年刊とはつまり1912年・・・いまからちょうど100年前に書かれた本ということになります。
(ちなみに大正10年当時、宮沢賢治さんは25歳)
さて、この本では2通りのステーキの焼き方が紹介されています。
(ちなみに大正10年当時、宮沢賢治さんは25歳)
さて、この本では2通りのステーキの焼き方が紹介されています。
〇パンビーフ、ステーキ(鍋焼牛肉)は、揚鍋=pan=フライパン
フライパンで焼くステーキの焼き方。
〇ビーフ、ステーキ(網焼牛肉)は、網か鉄板で焼く焼き方。
焼肉やバーベキューに近い焼き方なのかなと思います。
現代では家庭で作るステーキならフライパンを使うほうが一般的ですね。
でも肉の焼き方自体は100年たってもほとんど変わっていません。
どんなに科学や社会が進んでも、おいしい肉の焼き方に近道なし、ってことでしょうか?
どんなに科学や社会が進んでも、おいしい肉の焼き方に近道なし、ってことでしょうか?
網焼きの方の付け合わせには「松茸バター焼き」がでています。
ステーキに松茸とは今では、なんてゴージャス!、と思うけれど、かつて松茸は今よりもう少し身近な「キノコ」だったのではないかと思います。
表紙です。お料理から立ち上る湯気や、お料理を持つ手の洋服のデザインも素敵です。
大きさは、掌より少し大きなサイズ。縦に細長い形をしています。
英語で「PRACTICAL COOKING AND SERVING」
日本語で「家庭實用 西洋料理法」それそれが型押しされています。
著者の赤堀さんが最初に書いている「はしがき」は、大正7年に書かれていて4pにもわたる長文です。
要するに、西洋料理を贅沢とか敷居が高いとして遠慮するのではなくて、日本食に交えて、家庭料理をバラエティに富みかつ、簡単に作れて楽しいものになるように、そんな目的でこの本を書いたと述べています。
そんな著者の料理に対する思いを読むと、100年後の私たちにも「あ、それなら見てみたい、作ってみたい」という気持ちにさせられます。
2021年の現在(1月)私たちはコロナ禍という時間の中で過ごしていますが、
いろんなことがあっても「おいしい!」という気持ちで心ハレバレといきたいですね。
・・・丑年のはじめに、牛の話題でした。
表紙も本文もすっごい素敵な、西洋料理の本!見つけたゆきねこさんも凄い!ブラボー。ビーフステーキが食べたくなりました。
丑年!
by 兎座 (2021-01-10 22:04)
兎座さま ありがとうございます。
ちょうど100年前の本だったので紹介してみました。
100年前って明治じゃなくて、もう大正なんだよー(驚)。
丑年!コロナ禍でそわそわすることもあるけど、お互いのんびりゆっくりを大切にすごそうね。
by ゆきねこ (2021-01-13 19:54)