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世界食料デイに「せんべい汁」 [食の事]

2020年10月16日(金)は、世界食料デイ(※1)でした。
この日、兵庫県川西市内の16の小学校で、東北の郷土料理「せんべい汁」が給食の献立になりました。

せんべい汁.JPG

写真は川西市立多田東小学校のHPよりお借りしました


私はご縁あって(※2)、今回「せんべい汁」を給食の献立に取り上げる検討段階と、東北の食の紹介というところで、協力をさせていただきました。
そこで私の個人ブログでもこの取り組みを紹介させていただきます。

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〇川西市内のいくつかの小学校のHPにも掲載されています。
 私も当日の献立や、給食室でせんべい汁を調理する様子を拝見しました。
 どの学校のせんべい汁もとってもおいしそうです!
 
割ったせんべいIMG_3473.jpg
写真は川西市立多田東小学校のHPよりお借りしました


〇川西市の給食に携わる栄養教諭の方たちからの献立に関するメッセージ ご一読ください。
 「学校給食から広がる学びの場」
 学校給食には、児童、生徒の健やかな成長を願い、栄養管理、衛生管理の行き届いた昼食の提供と、献立を「生きた教材」として活用し学校の教育活動に生かすというたいせつな役割があります。
献立に日本各地の郷土料理をとりいれることも珍しくありません。各地の郷土料理や食文化の背景を知ると「なぜ、それがその地域で食べられるようになったのか」を知ることになり、それがいろいろな学習に繋がります。
 今年、川西市では世界食料デイである10月16日に東北地方の伝統的な郷土料理であるせんべい汁を紹介し献立に取り入れました。せんべい汁は岩手県北部から青森県南東部(旧南部藩)の地域で食べられてきた郷土料理です。
  東北地方は、やませや冷害でお米のとれない地域であったことで、保存がきく粉食文化(小麦や雑穀を食べること)が生まれた地域です。粉食文化は飢饉で大変な思いをしていた東北で暮らす人々の「食の知恵」です。
 また、6年生の国語では、岩手をふるさとにもつ宮沢賢治の作品「やまなし」を学習します。宮沢賢治は岩手で学問として農業を学び、当時、少しでもたくさんの食べ物を収穫できるよう技術を人々に伝えたい、飢饉から人々を救いたいと奔走した人です。
 そこで、給食の献立が、東北の気候風土、そして食べ物を手に入れるための困難やそれに立ち向かう人々の暮らしや知恵を知るきっかけになってほしい。そして宮沢賢治の世界に興味を持ち、作品を読むきっかけになってほしいと思い「世界食料デイ」に「せんべい汁」の献立を立てました。


※1【世界食料デイ】
世界の食料問題を考える日として国連が制定した日、それが毎年10月16日の「世界食料デイ」です。世界一人一人が協力し合い、最も重要な基本的人権である「すべての人に食料」を現実のものとし、世界に広がる栄養不良、飢餓、極度の貧国を解決していくことを目的としています。今、世界では誰も飢えることはないだけの食料があるはずなのに、満足に食事をとることができない人々がたくさんいます。一方、日本では食べ残し等の大量の食品ロスがありこれだけで世界の人々を飢えから救うことができると言われています。今一度、個人の栄養バランスにとどまらず地球規模でバランスの良い食生活が送るために一人一人が何ができるか考えてみたいですね。


※2 【私と今回の取り組みとのご縁について】
私は、川西市立北陵小学校へ2012年から、6年生で学ぶ宮沢賢治の「やまなし」でゲストティーチャーとしてでかけていました(2018年からはカリキュラムの都合で開催できずなのですが)。
がんづきをつくり、生徒の皆さんと味わいながら、宮沢賢治と岩手、そして「やまなし」の紹介をするというものでした。
この授業をきっかけに、北陵小学校の栄養教諭の方と、食育をキーワードに関係は続いており、
今回も「せんべい汁」を献立に取り上げる検討段階で、協力させていただいたという次第です。
 ★授業の様子はこちらをご覧ください(中野の個人ブログです)
  →https://bonjour-konogoro.blog.ss-blog.jp/2017-12-14


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以下は、今回の取り組みを私なりにまとめておきたくて私の個人的な印象も含めたものです。
公式なものではありませんので、誤解のないようにお願いします。

【「せんべい汁」が食の知恵や世界とつながり、おいしい記憶に!】
〇関西の給食で東北にふれる
この取り組みは、郷土料理から伝わる食の知恵と、宮沢賢治の農への想い、
それを給食を通して、現代の食糧の問いかけにつなげようという試みです。
せんべい汁はどちらかというと現代では岩手よりは、八戸(青森)の郷土料理という認識のようですが、今回は「東北」というキーワードで、献立に取り入れられました。
関西の学校給食で東北のメニューが献立になるのは極めて珍しいことだと思います。

〇宮沢賢治の農への想いと東北の食の知恵
献立メニューに「東北・宮澤賢治」をキーワードの一つにとりあげたのは、6年生の国語で宮沢賢治「やまなし」を学ぶからです。そこでは宮沢賢治の生涯や作品についても学び、考えます。
賢治が生きた時代にも、東北地方は冷害や飢饉に苦しんでいました。農によって人々を救いたいと奔走した賢治と、東北の気候風土、そして食べ物を手に入れるための困難やそれに立ち向かう人々の暮らしや知恵を知るきっかけになってほしい、そして宮沢賢治の世界に興味を持ち、作品を読むきっかけになってほしい、そんな思いが献立につながりました。
給食が、食育と国語・文学と結びついた学びの場になりました。

〇給食から世界を知る
東北の食が世界の食糧、食の知恵について考えるきっかけを作ります。
郷土料理から伝わる食の知恵と、宮沢賢治の農への想い、
それを給食を通して、現代の食糧の問いかけにつなげようという想いです。

今、私たちは、コロナ禍で世界中が窮屈な時間を過ごしていますが、
今回の「せんべい汁」を通して、私たちが食べているものから、「今」を知り、世界とつながり、学ぶきっかけになっているといいなと願っています。
そしてなにより生徒の皆さん一人ひとりの「おいしい」記憶になっていますように!

今回この取り組みに関わらせていただいたことは、私も大変貴重な経験になりました。
ありがとうございました。

このような食を通して学ぶ機会が、今後ももっともっと広がるといいなと願っています。


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