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「ブリューベルの花ピザ」@アスチルベ 岩手・花巻 [宮沢賢治の事]

長~い記事です。モチーフにした賢治作品を最後に掲載しています。

★宮沢賢治のイーハトーブ花巻レストラン2021
 詳細は→https://bonjour-hon.blog.ss-blog.jp/2021-10-12

宮沢賢治のイーハトーブ花巻レストラン2021★メニュー紹介
【お山カフェアスチルベ ブリューベルの花ピザ】
 ↓ クリックすると大きくなります
ブログ アスチルベ メニュー.jpg
◆◆「山の晨明に関する童話風の構想」の世界 いただきます◆◆

宮沢賢治さんは何度か早池峰山に登っていて、山の様子をたくさんの作品に残しています。また大正7年9月には稗貫郡から依頼された土性調査で訪れ、科学者としても早池峰山とつきあっています。

作品のひとつ「山の晨明に関する童話風の構想(やまのしんめいにかんするどうわふうのこうそう)は、早池峰山頂の夜明けの様子を、彩り豊かな食卓にたとえた幻想的な作品です。賢治と思われる主人公が、早池峰山の朝の光や花や岩石をお菓子に例え「のどをならしてのんだり食ったり」しています。 

「ブリューベルの花ピザ」は花巻産のナスを使って、作品の一場面、早池峰山で咲くブリューベルをモチーフにお料理しました。

◆◆おいしい花巻の食材にご注目◆◆ 
「ブリューベルの花ピザ」は、
使っているお野菜は全て花巻産。
隠し味に花巻産のニンニクと、大迫のお味噌屋さんの3年味噌を使っています。

◆◆「ブリューベル」ってどんな花?◆◆
釣鐘草(つりがねそう)は、カンパニュラ、ホタルブクロ、ツリガネニンジンなど釣鐘形の花をつける草の総称で、これらを賢治はブリューベルとよび、いくつかの作品に登場させました。

町の花屋さんなどでも見かけることができるのはカンパニュラです。4月から6月に花を咲かせるカンパニュラは、花巻が栽培面積と販売額は日本トップクラス。品質の良さが抜群であると高い評価を受けています。「ブリューベルの花ビザ」を堪能されたあとは、花巻のカンパニュラもぜひ見つけてくださいね♪ 
〇参照:JAいわて「花巻ブルー」https://www.jahanamaki.or.jp/rindou/

◆◆こちらもどうぞ◆◆
「宮沢賢治の花巻レストラン5「山猫軒のおもてなし」
花巻で栽培・出荷されているブルーのお花のことなどを紹介しています

◆◆「山の晨明に関する童話風の構想」全文を紹介します◆◆

     賢治さんがながめた早池峰山の朝の風景をご堪能下さい
山の晨明に関する童話風の構想
    一九二五、八、一一、
つめたいゼラチンの霧もあるし
桃いろに燃える電気菓子もある
またはひまつの緑茶をつけたカステーラや
なめらかでやにっこい緑や茶いろの蛇紋岩
むかし風の金米糖でも
wavellite の牛酪でも
またこめつがは青いザラメでできてゐて
さきにはみんな
大きな乾葡萄(レジン)がついてゐる
みやまうゐきゃうの香料から
蜜やさまざまのエッセンス
そこには碧眼の蜂も顫える
さうしてどうだ
風が吹くと 風が吹くと
傾斜になったいちめんの釣鐘草(ブリューベル)の花に
かゞやかに かがやかに
またうつくしく露がきらめき
わたくしもどこかへ行ってしまひさうになる……
蒼く湛えるイーハトーボのこどもたち
みんなでいっしょにこの天上の
飾られた食卓に着かうでないか
たのしく燃えてこの聖餐をとらうでないか
そんならわたくしもたしかに食ってゐるのかといふと
ぼくはさっきからこゝらのつめたく濃い霧のジェリーを
のどをならしてのんだり食ったりしてるのだ
ぼくはじっさい悪魔のやうに
きれいなものなら岩でもなんでもたべるのだ
おまけにいまにあすこの岩の格子から
まるで恐ろしくぎらぎら熔けた
黄金の輪宝(くるま)がのぼってくるか
それともそれが巨きな銀のラムプになって
白い雲の中をころがるか
どっちにしても見ものなのだ
おゝ青く展がるイーハトーボのこどもたち
グリムやアンデルセンを読んでしまったら
じぶんでがまのはむばきを編み
経木の白い帽子を買って
この底なしの蒼い空気の淵に立つ
巨きな菓子の塔を攀ぢやう
◆◆
・1925年8月11日の日付がついている作品です。大正14年です。
・晨明:「しんめい」夜明け、明け方のこと。
・電気菓子:綿菓子のこと。雲の比喩です。
 ※ちなみに大正時代のころは「電気」という言葉は、時代の最先端のカッコいい印象につながる言葉で、商品名などに「電気○○」という使われ方もしていたようです。
・Wavellite:ウェイヴァライト。銀星石。
・牛酪:「ぎゅうらく」バターのこと
・碧眼の蜂も顫える:「へきがんのはちもふるえる」と読みます
・蒼く湛える:「あおくたたえる」と読みます
・青く展がる:「あおくひろがる」と読みます
・巨きな菓子の塔を攀ぢやう:「おおきなかしのとうをはんじよう」と読みます
・巨きな菓子の塔:早池峰山の比喩
・攀ぢやう:攀じる・はんじる。すがりついてのぼる、よじ登ること。
◆◆河原坊の駐車場近くに、この作品の最後の6行が記された詩碑がありますよ。
◆◆「ブリューベルの花ピザ」お召し上がりになった感想もぜひコメント欄へお寄せください♡
【9月21日(火)~11月7日まで】
賢治が愛した早池峰山のふもとのカフェ
◆お山カフェ アスチルべ
”山の晨明に関する童話風の構想”をモチーフに
「ブリューベルの花ピザ」
岩手県花巻市大迫町内川目1-72 TEL 0198-48-5223 
https://hayachinehounansou.eyado.net/astilbe.htm
営業時間:11:00〜16:00 定休日:水・木曜(通常時)
数量限定1日10個 テイクアウト可・予約不要
*冬季休業「11/8~」です
アスチルベ お料理写真.jpg
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 「宮沢賢治のイーハトーブ花巻レストラン」
        どうぞよろしくお願いします


最新情報はFB「宮沢賢治のイーハトーブ花巻レストラン」
https://www.facebook.com/kenji.restaurant
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