賢治たちの自炊めし 1 [宮沢賢治の事]
宮沢賢治の食の風景を「自炊」をテーマに追いかけた「賢治たちの自炊めし」。
「ワルトラワラ」44号(2019年3月発行)から4回連載した内容から4回に分けてダイジェストでご紹介します。
羅須地人協会時代、宮沢賢治さんは30歳から32歳。
大正15(1926)年に花巻高等農林学校を依頼退職し、その春からは、自身のやりたいことにむかってまっしぐら。
農業指導や肥料設計、花壇設計、農業をする人を集めた集会・勉強会、そしてもちろん創作も。
チェロやタイプライターの習得のための上京も。
自分のことより人のことを優先して奔走していた、約2年半の独居自炊生活でした。
ああ忙しい!
やりたいことがいっぱいで時間が惜しいから、
当時の「料理」「食」に関するエピソードは、簡素で粗食なものばかり。
そして簡素化への「時短の工夫」もいろいろしていた賢治さん。
そして簡素化への「時短の工夫」もいろいろしていた賢治さん。
例えば、
・ご飯はその日3食分をまとめて炊き「天然冷蔵庫」つまり井戸に、つるして保存(冷蔵庫はまだまだ普及していない時代です)。
・ご飯のない時はトマトを5,6個かじる。
・あら汁は本当に「あら」だけ
など、ほかにもいろいろ。
続きはワルトラワラに挙げていますが、
当時の証言など読んでいくと、どの行間からも、賢治さんとそこにいた人の笑顔が不思議と浮かんでくるのです。悲惨とか、かわいそう、ではなくて。
つまり、羅須地人協会の食卓の一番の味付けは賢治さんの「ユーモア」だったことに気づかされます。
でもそこからまた一歩踏み込めば、ユーモアの食卓にこそ、賢治さんの心遣いや、人の為に走り回っていた様子が、ピリッとした隠し味になっているのよねと、感じられたりもして。
再現料理は、食のエピソードからよく食べていたと思われるものをピックアップして作りました。
・冷たいごはん(雑穀を少し忍ばせてみました)
・丸ごとかじる沢庵
・畑から取ってきてそのまま食べるトマトとナス
・萵苣(ちしゃ・レタス)にソースをかけたもの。
この記事をアップした本日(2022年8月27日)は宮沢賢治さんお誕生日。
1896年生まれなので、今年126歳。おめでとうございます♡
「2膳目」につづきます・・・
〇「ワルトラワラ」宮沢賢治を愛する人、研究者が集まって執筆している研究同人誌です。
主宰は賢治研究者の松田司郎氏。
冊子はバックナンバーも含めて
花巻市の宮沢賢治イーハトーブ館 https://www.kenji.gr.jp/
で取り扱いがあります。
1冊1000円(送料とも)です。
このブログのコメントにも連絡をいただければ対応できます。
主宰は賢治研究者の松田司郎氏。
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